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「はたらく島人」 託児所 Manma House | 屋久島マルシェ

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「はたらく島人」 託児所 Manma House

起業・事業拡大・雇用創出した事業者さんにインタビュー

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託児所への想いがじわじわと合点して行く時

観光地である屋久島。観光業に携わる女性の生活スタイルを考え、一時預かりから可能な託児所を設立。
観光業と保育士、小学校教諭というそれぞれ違った藤山さんの経験が、託児所に生まれ変わったそのわけとは?

 

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藤山智代さん
屋久島町出身。マンマハウス経営。前職は小学校教諭、観光業、保育士さん。

朝7時半から子どもたちがやってくるマンマハウス。近くの駐車場に車を止めると、すでに子供たちの元気いっぱいな声が聞こえてきました。ここは屋久島で唯一、6ヶ月の赤ちゃんから一時預かり保育をしている託児所です。

藤山智代さんと3人のスタッフでスタートしたマンマハウスは、2014年9月で一年目を迎えます。

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なぜ託児所をしようと?

元々、小学校の先生でした。担任を受け持つと、本が好きな子もいれば苦手な子もいたり、運動が好きな子もいればそうでない子もいたりと色々な子どもたちに出会います。そんな子たちを見ているうちに幼少期の育ち方に、興味を持つようになりました。
先生を辞めて子どもを出産。観光会社に勤めながら育児をしていましたが子どもの面倒を見れないことが辛い時もありました。
そこで子どもたちを一時的に預かってもらえる託児所が必要だと感じ、託児所経営に必要な保育士の資格に加えてベビーマッサージセラピストの資格を取得しました。
託児所を立ち上げようとは思いつつ、まだまだ知識や経験も足りないと感じていた頃、たまたま声をかけていただいた幼稚園で働かせていただくことになりました。

 

もう自分でやる時期かもしれない

勤めて3年目になるとお母さん方の声やそれまでにいた職場での経験から「世間のニーズはもっと柔軟で幅広いところにあるのではないか」と思うようになります。当時の屋久島内の職業の7割は観光業に携わっていて、土日・祝日・観光シーズンの大型連休は特に忙しくなり、小さい子供を持つお母さん方も土日祝日に働きに出ることが多くなるのです。
そんな時にお子さんを預けられる託児所を「もう自分が設立する時期だ」と確信しました。

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■外ではしゃいでいる姿など、スマホで撮った写真をお母さんにメールで送って、やりとりしています。

 

大自然の中を通学していた経験

育った実家は、学校まで毎日4kmくらい歩いて通うような山の中です。周りには山や草っぱら、茶畑くらいしかなくて、大きくなるにつれ屋久島の何が良いのだろうと思っていましたが、学生の時に島外に住んでからは「山・川・海がこんなに近くあって充実している環境は屋久島に戻らないとないな」と実感しました。幼い頃を思い起こせば自然の中で遊ぶことが大好きだったのです。
幼稚園や保育園は園庭(園の中庭)で遊ぶことがほとんどで、広くて遊具もあるのですが、屋久島でこそ遊び場は自然の中にあり、託児所という形で子どもたちの成育をサポートすることが必要だと思いました。
小さいころから感動を味わってもらいたいので、子どもたちを外に連れ出しています。「オタマジャクシから手足が生えた」など、自然の生き物から教えてもらえることを大切にしています。

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■取材に伺った日は2~4歳のお子さんたちをお預かりしていました。

 

子どもたちが変わろうとする瞬間

0歳の赤ちゃんを預かると、他の子たちがお兄さんお姉さんになろうとする雰囲気になります。面倒を見てあげようとするんですよ。でも赤ちゃんがいない日は『抱っこして』と甘えてきますね。
子どもたちが環境に順応していくことで、日に日に成長していっていることがわかりますよ。
お友達が『貸して』って言ったのを『いいよ』と貸してあげられるようになるなど、子どもたちに対しても毎日発見があります。都会から来たばかりの子は、虫が苦手たったりきれいな小川に足をつけることも怖がったりしますが、慣れてくると自ら虫を捕まえてきます。

 

間接的な経験の大切さ

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■子ども一人に一冊の日誌。一日の様子をお伝えするために、毎日、子どもたちの過ごした内容を当番の先生が記入。その日一番のいい写真を貼ってお母さんにお渡ししています。

今、保育に関わっていますが、それ以外の経験も多く重要だったと感じています。たとえば親同士のつながりや、観光業をしていた時に知り合えた方たちなど、人生の中で歩んできた人とのつながりを大事にしてきたことで今があると思います。
一緒に働いているスタッフもママ友です。これから保育を始める方はいろんな方面からのつながりを考えて積極的に外に出て行った方がいいと思います。
保育の資格はもちろん大事です。資料を取り寄せ、自学したり、試験前のゼミなどに行き学びました。幼稚園教諭の免許は持っていたので実践は免除でした。屋久島で資格を取るために必要な実技は、幼稚園に申込んで単位を取ります。また、資格を取る方法は時代とともに変わってきているので、いろんな可能性を探ってみるといいと思います。

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■お花や季節の行事ものの装飾を画用紙で作り、託児所をカラフルにするのも先生たちのお仕事。

 

託児所を始める前の自分へのメッセージ

信頼関係がとても大事です。保護者への信頼と、保護者からの信頼です。とくに事業を立ち上げるのであれば思いつきでできることではなく、自分自身の経験を積んで地盤をしっかり固めることですね。そして、この先の展望を考えることです。
書類を書いたり経営のことを学んだり、慣れないことを壁にぶつかりながらやっていくわけですが、立ち上げに協力してくれるスタッフがいることと、商工会の方に頂いたアドバイスや、「ずっとこの仕事をやりたかった」という気持ちを大切にしてください。

 

これからのマンマハウス

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■カーテンを閉めてお昼寝タイム。眠れない子にはスタッフママが絵本をよんであげたり。

子どもたちがワクワクするような計画が沢山あります。10年後、20年後、30年後のマンマハウスと自分の姿を思い描き、その未来に向かって何をすればいいかということをいつも考えています。今やっと立ち上がったばかりのマンマハウスですが、この先どんどん地域に根差していき、保護者や観光客のニーズを受け入れながら地域の中で育まれる保育施設として、独自の保育スタイルで子育て世代をバックアップいきたいと思います。

 

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朝スタッフが出勤すると、子どもたちが自然に「おかえりー」と声をかけました。スタッフみんな、名前にママをつけて呼んでもらっており、藤山さんも「ちよママ」と呼ばれています。まさに“お家に帰ってきたよ!”と思ってもらえるような、アットホームな空間にしたいという気持ちが伝わっているようです。

外でキャーキャー遊んでいる子どもたちを見て「うなされちゃうんじゃないかっていうくらい、毎日自然からのいい刺激をうけているのではないでしょうか」と、笑顔で話してくれました。

 

a8 託児所ManmaHouse(マンマハウス)
2013年9月設立。写真は明るいスタッフママさんたち。年末年始以外、土・日、祝日も開園。2014年5月~屋久島町の委託を受け「産前産後ヘルパー」も請け負う。妊婦さんが動くことが大変な時期に、自宅までお手伝いに行くお仕事。毎週水曜日はベビーマッサージ教室を運営。育児について相談できる場や、お母さん同士をつなげる場としてサポート中!始めて入園する子の“ママと一緒の体験預かり”も随時受付ています。

 

藤山さんのとある1日

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■夕方のおやつは朝のうちに手作り。スタッフママも工夫を凝らしたおやつを作って来てくれます。スタッフは9時〜17時までの出勤。前日にメールでも打ち合わせや確認を行います。夜の買い出しに行かなくて済む時は仮眠の時間。疲れて倒れ込むように寝てしまうことも。

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口永良部島